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フランス大統領選 | ルペン氏勝利の可能性 - 天才経済学者トマ・ピケティが語る

来たるフランス大統領選について『21世紀の資本論』で一躍有名になったフランス人経済学者のピケティ氏がルペン候補勝利の可能性を示唆しました。

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ピケティ氏はフランスの大手メディアのル・モンド紙のウェブサイト上に開設された自身のブログで以下のような指摘を行いました。

最初にピケティ氏はマリーヌ・ルペン氏が率いる極右政党の国民戦線の勝利の可能性が高いことについて言及しました。

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一方でこれに対抗できるのは極左として扱われているメランション候補のみであると指摘しています。

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一方で両候補をポピュリストとして軽く扱っている主要メディアの姿勢も批判しています。

最初に両候補に共通しているのは反EUかつ反グローバリズムであるという点であり、そして何よりこのことによってグローバリゼーションに伴う格差拡大の被害者である労働者階級の支持を集めやすいと指摘しています。 一方でメランション候補は国際協調を重視しており、それゆえにルペン候補より望ましいとしています。

ピケティ氏はこの2人をポピュリストとして切り捨てるメディアの姿勢にも批判的です。このようなメディアの姿勢に絶望した労働者階級(グローバル経済の犠牲者)がトランプ政権の誕生や英国のEU脱退といった誤った選択をする結果になったと指摘しています。

興味深いのは、アメリカ大統領選の民主党候補として立候補するもヒラリー・クリントンの次点として辞退するに至ったバーニー・サンダースのような、いわゆる極左勢力が、外国人排斥やナショナリズムを前面に掲げる極右(例えば、ドナルド・トランプ)に唯一対抗できると指摘していることです。

一方でメディアの持ち上げる中道右派のフィロン候補や中道のマクロン候補には批判的です。彼らはグローバル企業の代弁者であり、かつ彼らが掲げる労働市場の解放、歳出削減、資産税の減税、消費税増税といった一見合理的に見える主張は全くの筋違いであると断言しています。

特に批判的なのが、両候補が2012年に取り決められた財政赤字を最大GDPの60%に抑えることなどを決めたEUの財政圧縮についての条約について賛同していることです。

ピケティ氏はかつて英国が財政赤字を支出削減によって解決しようとしたことによって教育予算の削減や生産性の低下を招いた例を挙げ、かつ実際に財政赤字の削減は経済成長とインフレーションによって解決できたことを指摘しました。

最後の締めくくりとして、国民戦線政権を避けるためには、EUの規制に対して強い姿勢で臨み、かつ2012年の条約の代替案を立案できるような左派勢力の役割が重要であると締めくくっています。

piketty.blog.lemonde.fr

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