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書き溜めておいた技術記事や旅行記のバックアップです。

高卒・大学中退者のリセット願望が生んだトランプ政権

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実業家のドナルド・トランプ氏がアメリカの第45代大統領に就任する

正直言って僕はトランプが大統領としてふさわしいバランス感覚をもった人間とは思えないし、大国の舵取りをするのにはあまりに不安定な人間だ。おまけにこんな噂まで飛んでいる。

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まあ、もちろんこの程度の噂で、政権が揺らぐとも思えない・・第一、トランプ氏が女性差別的で、かなりきわどい発言を繰り返していたことなど、選挙期間中からさんざん言われてきたことだし、プライベートでも滅茶苦茶なことをしていたのは想定内だ。

別にトランプを指示した人たちは、トランプ政権によって自分たちの生活が良くなることは微塵も期待してはいないはずだ。

では、なぜトランプはあれほどの支持を集めてしまったのだろうか?

フランス人の学者エマニュエル・トッド氏によれば、トランプ支持者には大学中退者と高卒者の割合が高いらしい。

トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲 (朝日新書)

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アメリカは超絶な学歴社会だ。しかも、大学の学費も非常に高く、課される宿題も非常に多く、卒業するには文字通り血の滲むような努力をしなければならない。実際に卒業するのは全体の4割に過ぎない。もし落ちこぼれてしまえば、たちまち世の中のヒエラルキーの下層においやられる。もちろん今まで払った学費はすべて台無しだ。

そしてアメリカ社会は強者が弱者を徹底的に搾取する仕組みが完備されている。医療・保健・労働などなど・・

マイケル・ムーアの映画「シッコ」で描かれている通りだが、向こうでは医療費を払えずに破産したり、家を売ったりすることは日常茶飯事だ。民間保険がある?保険会社はいざという時は難癖をつけて払おうとしない。高額な弁護士費用が払えるなら別だが。

シッコ [DVD]

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現在の世界の秩序の下ではどうやっても自分は浮かばれない、上昇することも到底見込めない。

世の中の秩序が乱れて混乱すれば、もちろん自分もタダではすまないだろうが、このまま一生底辺のままでいることが確定している世の中よりマシだ。そんな絶望感がトランプ政権を生んだのではないのだろうか?ということである。

ヒラリーは?

彼女は完全にエリート側の人間だ。ゴールドマンサックスやシティバンクといったウォール街の連中から多額の献金を受けとっている。奴らの手先だ。どうせ2人とも悪人ならば、もっとひどい方に投票してやれ、エリートどもに一泡吹かせてやる。

正直今の情勢はWW2前夜の1930年代に瓜二つだ。世界恐慌とリーマンショック、国際貿易が破綻し、保護主義に走る各国という構図を含めて。

わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫)

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この構図は日本にもあてはまるかもしれない。自己責任のレッテルを貼られ、見捨てられた人たち、失うものがなにもなくなった。そんな彼らが捨て身で一体なにをしでかすか、想像もできない。いや単純にしたくない。

戦後いままでにないほどに、外国に対しての敵意を煽るような内容の言説が世の中に溢れている。あるで彼らの不満をはけ口を用意しているかのように、現時点はくすぶっているにすぎないけれど、爆発したときが本当に恐ろしい。