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望月いちろうのREADME.md

書き溜めておいた技術記事や旅行記のバックアップです。

Twitterはもうダメかもしれない | 赤字の原因とその分析

Twitter オピニオン

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Twitterの経営危機

Twitterが経営危機を迎えているらしい、一時はGoogleやSaleforceが買収をするというニュースが発表されたけどたち消えたようで、未だに創業以来の赤字を解消できていない。その赤字額は累積112億円にも上るものだ。

Amazonの子会社で、アメリカのインターネット調査会社のAlexaが、毎年インターネット上のウェブサイトのアクセスランキングを発表している。これを見てみよう

www.alexa.com

これによるとTwitterのアクセス数ランキングは世界で14位というトラフィックの多さである。一般に多くのWebサービスが利用者を集めるのに四苦八苦している中、この利用者の多さは羨ましいものがあると思う。

しかしながら、Twitterは創業以来ずっと赤字続きでマネタイズをできていない。こんなにもたくさんの人がTwitterを利用しているにもかかわらず。なぜTwitterは黒字になることはないのだろうか?

Webサービスのマネタイズについて

一般にWebサービスは広告枠を他の企業に売ることで、サービスのマネタイズをはかることが多い。実際に、高精度の検索エンジンを提供し、深層学習などの高度な技術で知られるGoogle社も、収益の大半はGoogleアドセンスをはじめとした広告事業だ。もう一つのやり方は、利用者から料金を徴収することである。

それは基本的な機能は無料で提供しつつ、より高度な機能は課金するといった具合にである。

たとえばソースコード管理サービスのGitHubであれば、ソースコードの公開は無料で可能だが、ソースを非公開にするには有料になるといった風にである。

Twitterはと言えば、そのマネタイズの中心は広告だ。ユーザーのタイムラインに

創業者の広告嫌い

Twitterの主要な創業者の1人はジャック・ドーシーという名の人物だ。アメリカ人でありながら禅を愛するジャックは、シンプルさを売りにしたUIを汚したくないのか、2006年の創業以来、2011年に至るまで、一切の広告を配置しなかった。しかも、その数はタイムラインに1つだけ

jp.techcrunch.com

という極めて控えめなものである。

目下の赤字に悩んでいる現在では広告の数も増えているが、マネタイズという観点からは、あまりうまくいっていないようだ。 だけど実際のところこの部分に関して言えば、いくらでも改善点がみられると思う。今回はそれについてしばらく論じてみようと思う。

ユーザーの属性分析は十分か?

インターネットに限らず、広告を主体にしたビジネスをするために重要なのはユーザーの属性分析である。たとえば、女性が主体のサービスであれば、化粧品やファッションに関連した商品の広告を表示するのが、最も費用対効果が大きいだろう。もっとも、男性であっても、恋人や妻に対してプレゼントとして購入する人も存在するだろうが、その購入確率はかなり低いものになると予測される。

性別がわからずともツィートの内容から、少なからずその人の興味関心を知ることができる。たとえば、ゲームが好きなひとであれば、自分がハマっているゲームの内容やプレー状況について、頻繁にツィートするだろう。そして、このような人に対してゲームの広告を打てば、そうでない人に比べてクリック率が高くなることが予想される。

このようにユーザーの性別や関心によって、実際に表示する広告の種類を変更することで、その効果はいかようにでも変動する。

これを最も熱心に行っているのがGoogleである。Googleは検索エンジンの利用者の検索履歴や閲覧したページの内容を、機械学習を用いて解析し、その興味関心を絞り込み、適切な広告を表示する技術によって飛躍的に成長した企業だ。その結果として、現在ではGoogle(厳密には親会社のAlphabet)は時価総額世界1位の企業にまで成長した。

実際にTwitterがユーザーの属性分析を熱心に行っているかといえば、全くそうではないだろう。むしろ、ほとんどランダムに表示しているとも言える。事実自分のタイムラインでは、ほとんどインターネットやプログラミングについてしかツィートしていないにもかかわらず、なぜか化粧品の広告が表示されたりする。

ブランドイメージの低下

Twitterは海外ではどちらかといえば廃れているサービスと捉えられているようだ。この図をみて欲しい、これは世界各国で一番人気のあるサービスを表したものだ。これを見ると一目瞭然だ。

なお画像はWikipedia CGライセンスに基づく引用である

大半の国ではFacebookがもっとも人気がある。奇妙なのはロシア・イラン・中国・日本で前者3国は各国ローカルのSNSが人気で、日本だけでTwitterが一番人気なのである。

つまり、世界全体でみるとTwitterはかなり衰退しているサービスなのである。

どうして海外ではTwitterは廃れてしまったのであろうか?

ヘイトスピーチの蔓延

特に海外ではTwitterはヘイトスピーチの温床として悪名高い、2016年には英語版のTwitterで悪質なヘイトスピーチを繰り返していたマイロ・ヤノポロノス(Milo Yiannopoulos)ら"オルタナ右翼"と呼ばれる一団のアカウントが一斉に凍結された。

彼らの起こした事件の中で特に悪名高いのが女優のレスリー・ジョーンズに対する一連の人種差別的嫌がらせだ

レスリー・ジョーンズは女性かつ黒人であり、ミソジニーと人種差別意識の強さが特徴であるオルタナ右翼の格好のターゲットである。

実際にどんな行為が行われたか、見てみよう

彼女をゴリラになぞらえる

ツィート

多人種社会であるアメリカでは人種差別はタブーである。もし企業がこれを擁護するような姿勢を見せれば、たちまち不買運動の嵐が起こり、企業の株価は暴落し、大変な被害を受ける。したがって、企業は、特に事業規模が大きなところほど、人種差別問題に関しては、かなり慎重な姿勢を見せるのがほとんどだ。

そういった意味でいうと、上記のような人種差別が平然と行われているプラットフォームに対して、広告を出稿するのは、かなりリスクのある行為と言え、それゆえにTwitterはあまり良い広告主に恵まれていないような気がする。

たとえば、「Twitter 広告」と検索しようとすると、「うざい」がサジェスチョン候補に入ってくる。しかし「Facebook 広告」や「Google 広告」では、そうはならない。広告主の平均的な質の悪さが、スパムまがいの広告を表示させることに繋がり、それが利用者のUXを低下させ、それゆえに利用者も退出するという悪循環に陥っていると思われる。

まとめサイトの埋め込み機能の乱用

いくらTwitterが赤字とはいえ、時に優れたコンテンツが投稿されるプラットフォームであることには変わりがない。しかし、この優れたコンテンツを活用することにもTwitterは下手くそだ。

これは現在は閉鎖してしまったDeNAが運営していたあるキュレーションサイトの画像だ。

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このようにキュレーションサイトではTwitterの埋め込み機能を使ってコンテンツを作成することが多い。場合によってはほとんどすべてのコンテンツがツィッターの埋め込みで提供されていることも多い。

もちろん、このコンテンツを保存して、提供するのはTwitter側の負担である。画像であれば、その容量に応じた転送量もかかる。 しかし、これによってTwitter社は何の利益も得ることはない。一方で、キュレーションメディアはといえば、そのコンテンツを利用して広告収入を得ているのである。これに対しては、Twitter側も手をこまねいているわけではない。

それがTwitterのモーメント機能である。

モーメントについて | Twitterヘルプセンター

モーメントとは、Twitterで今話題になっている注目のツイートをまとめたものです。モーメントでは人気や関連性の高い最新トピックがまとめて表示されるため、「いま」起きていることを間単に知ることができます。

Twitter上で起こった一連のイベントを記録するための機能であり、実際に画面を見てもらえればわかるが、キュレーションメディアのような構成となっている。

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もっとも現時点では、あまり知名度が高いようには思えないし、SEOにも弱い、何より広告が入っていないので、収益を得ることも難しいだろう。

賛否両論であることを承知で言うが、Google Mapsのように一定以上の表示に対してのみ、課金を行うことも検討すべきかもしれない。

これに外部サービスによるコンテンツ利用について、対象的なのはFacebookである。FacebookのAPIは非常に制約が厳しい。かつてはFacebookのGraph APIを利用する外部サービスが多く存在したが、スパムの温床になることを理由に締め出されている。

そして、埋め込み機能についてもFacebookはコンテンツを作成した本人以外は利用できないようになっている。

つまり、キュレーションメディアのように他人のツィートを切り張りしてコンテンツを作成することはできないのである。

まとめ

Twitterは優れたプラットフォームでありながら、あまりにマネタイズ、そしてブランドイメージの保護に無頓着であるために経営危機に陥っていると思われる。